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「ジャズCDの個人ページ」by K. Kudo
第九弾「ケイズ カフェ」
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ヴォーカルにピアノ・トリオ、曲によってはフルートも加わるアルバム。その聴きやすさと味わいから、もう５回以上も聴きながら本を読んだり、仕事をしたりしています。スタンダードを中心として、ややゆったりめの曲が多いです。ヴォーカルを支えたり、絡んでいったりする市川秀男氏のピアノが、時に静かに、時に饒舌になりながらもあまりでしゃばることなく寄り添っていきます。実は私は市川さんのピアノの隠れファン。勝負の１曲目はやはりスローでメロディアスなバラード。肩の力を抜いて優しくせまってきます。２曲目はフルートをゲストに加えた、ややアップテンポの曲。４曲目もミディアムテンポで聴いていると元気が出てきます。一転、５曲目では流れていくようなノンビートで、ややシリアスで思索的に歌っていて、けっこう印象的な仕上がりです。フリーちょっと手前にも聞こえ、この曲のみ異色ですが、私は好き。
６曲目からまたメロディアス路線に戻って、７曲目はややどっしりとした歌のイメージ。静かに、しかも深い味わいのある８曲目、静かにはじまって歌に入ると４ビートで盛り上がってくる起伏の豊かな９曲目と、夜でも昼でも似合いそうな雰囲気があります。そして、私のお気に入りのビリー・ジョエルの１０曲目へ。ビリー・ジョエルの原曲も良いせいか、スイングする４ビートでの演奏はなかなかゴキゲンな仕上がり。ピアノもタイミングよく斬り込んできます。そしてしっとりとくる１１曲目で、名残惜しいながらも幕を閉じます。
歌の解釈うんぬんはよく分かりませんが、聴いていて曲のテンポや、ヴォーカルや各楽器のフレーズ、サウンドなどから、その歌の雰囲気がうまく表現されているのではないのかな、と思いました。なかなか味わいのあるヴォーカルアルバム。メロディアスな曲が多く、それが心地よく聴ける要因なのかも。
CDのライナーは青木 啓氏、CDジャケットは成瀬 政博氏の手によるもので、特にジャケットはMINGOSレーベル３作連続で成瀬氏に書いていただいています。
１９４１年生まれ。
１９６１年六本木に「ふらみんご」を開店。
１９７２年六本木に日本で最初のヴォーカリストのためのライヴハウス「MINGOS」を開店。
１９８７年安曇野穂高にオステリア「ミンゴス」をオープンし現在に至る。音楽プロデューサーとしても活躍。
１９９７年細野 義彦氏のファーストアルバム「Without A Song」を制作。
２００４年９月逝去。
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