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「ジャズCDの個人ページ」by K. Kudo
第五弾「インタイム」プロテウス（Salt Of The Earth） |
ギターやリュートのようなイタリアの古楽器「ティオルバ」を中心に、曲によってパーカッションやエレキベースが加わるユニット。ティオルバという楽器についてはあまり詳しくないのですが、バロック期のリュートの一種だそうです。甘くて豊かな和音で、適度なリバーブが心地良いサウンド。
通常だとクラシックやバロックのような雰囲気になるのでしょうが、パーカッションが加わることによって、ワールド的な色彩や、あるいはECMやEnjaのワールド寄りのCDなどで聴かれるような、ある種のジャズに近いインプロヴィゼーションの雰囲気が生まれています。もちろんティオルバ単独の演奏で、例えば１曲目のようなしっとりした哀愁漂うミュージックの世界も、１１曲目のような温かみのある世界も、曲によっては味わう事もできます。ベースも時々加わってロックやポップスの色彩があらわれることもあり、その表現はけっこう多彩。
１２曲中８曲はティオルバ奏者のデヴィッド・ヌドスンの作曲で、そのサウンドはやはり現代のさまざまな音楽の要素が入っていると言えます。例えば、９曲目などは、不協和音もかき鳴らすフリー・インプロヴィゼーションに近い世界があります。またヒーリング系のアルバムに通じるものはありますが、それは甘口ではなくて、ピンっと一本線がはりつめているような感触。
バップフレーズがあるわけではなく、いわゆるメインストリームのジャズとは全然違うのですが、ジャズでなくても精神的にインプロヴィゼーションの世界にハマれる人、例えばECMのスペイシーなワールド寄りのアルバムが好きな人、ヒーリング系だけでは飽き足らなくなってきた人などには共感していただけるアルバムではないのかな、と思います。
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