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最終更新日：2009/09/25

第十二弾「遠い国」春犬バンド（BQ Records）

「遠い国」春犬バンド（BQR-2017)

中村尚子（P）、山本ヤマ（Tp）、鈴木健太郎（B）、谷山明人（Per）
（税込み２，０００円、通販の送料は無料）

1. チャイム 2. 遠い国 3. A River Runs Through It 4. ゴルゴダの丘 5. アネモ・ネード 6. A River Runs Through It～川でキャンプ～ 7. Ur Song （ムービーで「ゴルゴダの丘」「カサヲ茶ノムービー」を見ることができます。）

２枚目のアルバムで、’０１年１月２２日の録音。ムービー付きで、Quick Timeをダウンロードすれば、パソコンでコンピューターグラフィック「ゴルゴダの丘」や表紙絵の短い動画「カサヲ茶ノムービー」が見れます。１作目よりはしっとり感が増したような気がして、グッと洗練されてきているようにも感じます。独自の世界は深まっていきます。

１曲目はどこか懐かしいような、それでいて軽く明るい風景の中をピアノのフレーズが奏でていき、トランペットのテーマのメロディで、方向性が見える感じです。軽いボッサのようでもあるし、BGMにもいい感じの曲のようにも感じます。とにかくメロディアスで、タイトルどおりチャイムの爽やかさがあえいます。

一転、タイトル曲の２曲目は重めのはっきりとしたテーマの１３分台の大作。４ビートではないですが、ソロもけっこうハードでジャズを大きく感じさせるドラマチックな進行の曲。後半にドラム・ソロ、パーカション・ソロと見せ場があります。やはりこのアルバムの重心になるのでは。

トランペットのはっきりしたメロディがワルツ（８分の６？）でせまる小品の３曲目を経て、ゆったりとしたメロディで包み込むように進んでいく４曲目は、まさに「空にとけてゆく　心にとけてゆく」という雰囲気でゆっくりと心の中に入り込んできます。

クラシカルな出だしではじまったと思ったら、ラテンの香りの明るさで心地良く、しかもやや抑え気味に盛り上がっていく５曲目。６曲目は３曲目に引き続いての小品。

７曲目はベースとトランペットで日本的情緒あふれるテーマをゆったりと伝え、その後は雰囲気を保ちつつフリーの世界に入って行きます。このあたりがジャズを基盤としたバンドらしい展開ですが、やはり盛り上がりもあるにしても抑制のとれたフリーになっています。そしてテーマが再びあらわれて、ピシッとした結末。

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