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「ジャズCDの個人ページ」by K. Kudo
第十一弾「春と犬 １２月号」春犬バンド（BQ Records） |
「春犬（はるいぬ）バンド」と読みます。’９９年１１月１０日門仲天井ホール（江東区門前仲町）での録音で、このバンドのファーストアルバム。
「ジャズのスタイルからはみ出そうとする４人たち」とあります。確かにジャズのイディオムとは別のところも表現しているグループ。どことなく日本的な情緒を感じさせますが、あまりソフト路線でもない、不思議な感覚を持ったユニットです。 少々マニアックかも。
１曲目は序章の小品とでも言うべき、リズミカルで陽気なフレーズが繰り返されたと思ったらフェードアウト。思いっきり日本的で懐かしさを感じる事ができるピアノとトランペットのメロディでの２曲目は、なぜか子供時代に戻った自分を感じさせてくれます。タイトルのように「春の夕暮れ」を心の中に感じます。ベースもアルコでしっとりと。
３曲目はパーカッションの音のせいかメロディのせいか、コミカルな雰囲気で浮遊感を伴いつつも、しっかりと地に足をつけて歩んでいるようなサウンド。４曲目は、出だしは 静かでフリーなサウンドで、徐々に曲として緩いまとまりを見せはじめますが、自由なままに盛り上がったり、静かに進んだりの１２分台の曲。そんな中で後半のカッチリとしたピアノのフレーズが心地良いです。
テーマのメロディがけっこう渋くて、おぬし、なかなかやるな、と思わせる５曲目も、時々、特に後半でフレーズがフリーのイディオムに入っていき、硬派でスリリング。ドラムソロもあります。６曲目のほうは、フリーが前面に出てきたけっこうハードなサウンドの小品。
メロディ自体はシンプルなのだけれど、少々アヤしげな雰囲気ではじまったと思ったら、しっとり感覚あふれる場面で吹かれるトランペットのメロディや、ゆったりと弾かれるピアノが印象的な、叙情的な７曲目。そして、ラスト８曲目もリズミカルで陽気な小品を持ってきて（１曲目の続きか、対になる録音）、アルバムの幕を閉じます。
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